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No:519 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part514 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2022/10/05 10:52:48 単表示 返信

虐殺が未だ記憶に新しい1574年2月。

サン・ジェルマンにてもう何回目か数えるのも億劫になるクーデター未遂事件が起こりました。

クーデター自体は即行鎮圧されたのですが・・・・・・首謀者らの主張が地味に問題でした。

彼らユグノーは自らの盟主たるナバラ王アンリとコンデ公アンリの解放を要求しており。

この当時(強制的とは言え)カトリックに改宗済2名の「救出」を主張してきたところに根深い問題があったのです。


          ◇          ◇          ◇


端的に言いますと。

ユグノーの重鎮であるこの二人がカトリックに寝返ったとする離間策は何の効果も上げておらず、未だにユグノーの指導者層であると認識されていると証明されたようなものだからです。

同時多発的に各地で蜂起したユグノーらの動向もそれを裏付けており、宗教戦争は終わりの見えない底無し沼へと直走っていました。

そんな中。

決定的な事件が起こります。

サン・バルテルミの虐殺からずっと塞ぎ込んでいたシャルル9世が遂に崩御したのです。

23歳の儚い生涯でした。


          ◇          ◇          ◇


死去の前日、死の淵にあった国王は最後の仕事として母后カトリーヌを摂政に任命したといいます。

・・・・・・が。

敬愛するコリニー提督の事実上の殺害指令を出してしまって鬱状態にあったシャルル9世に、そんな気力があった気は正直しませんわね。

例によって自分の都合のいいように流布したのでは? とわたくしは思っていますが・・・・・・

真相は歴史の藪の中ですわね。


          ◇          ◇          ◇


ともあれ。

制度上も実務面でも政治的パワーバランスから考えても、国王不在のままでいい訳がありません。

直ちに次の王を据えなければならないのですが・・・・・・重大な問題が一つ。

継承権第一位のアンジュー公アンリが既にポーランド王に選出されており。

フランス国内にいなかったのです。