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No:533 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part528 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2023/01/11 11:37:06 単表示 返信

最初の兆候が何であったかは、歴史資料からは推測困難です。

ただ事実として、ヘンリーはスコットランド王の名誉だけでは飽き足らず実権を寄越すよう再三再四に渡って要求していたこと。

結婚後も浮名を流し続けたこと。

そして妻メアリーが病に臥せっていた時に1週間以上も狩猟で遊び呆けていたこと。

それらによってブチ切れたメアリーがスコットランド王を剥脱し、国王夫妻の肖像を描いた銀貨を全て回収したこと。

最初がどうあれ、もはや関係が修復不能であることは誰の目にも明らかだったのです。


          ◇          ◇          ◇


さて当の浮気亡者はどうしてたかと言いますと・・・・・・

ある意味予想通りに逆怨みしていました。

自分に冷たくなったのはメアリーが不倫してるからだ、等と自らの所業を火星軌道まで放り投げた妄言を垂れ流し、不倫相手(妄想)の抹殺を企むようになります。

その想像上の不倫相手の名はデイビッド・リッチオ。

音楽家にしてメアリーの秘書、そしてダーンリー卿ヘンリーの友人でもあった男です。


          ◇          ◇          ◇


リッチオはピエモンテ州生まれのイタリア人で、カトリック信者でした。

メアリーはプロテスタント容認派でしたが自身は改宗する気もなかったので、リッチオは接しやすい相手でした。

更に言えばリッチオは気遣いのできる男で有能とくれば、そりゃあ重用するってもんです。

誰だってそーします。わたくしだってそーします。


          ◇          ◇          ◇


なお当時のスコットランドはメアリー帰還のちょっと前からプロテスタントが幅を利かせており、メアリーは他所者扱されていたと伝えられています。

夫ヘンリーは一応カトリックではありましたが・・・・・・

側近に取り立てていたマリ伯ジェームズ・ステュアートやウィリアム・メイトランド等有力貴族は大体プロテスタントでしたので、表向き融和政策に賛成していたとしても深い溝があったのです。