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No:610 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part605 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2024/07/03 08:42:01 単表示 返信

このシーザー暗号の歴史は古く──────名前からして古代ローマ皇帝が由来ですから当然ではありますが──────それ故に解読手段が確立されてしまっています。

理由は前述した通りですが、これでは暗号としての意味をなしません。

根本原因は文字が一対一対応しているために統計手法がよく効いてしまうことにあります。

故に単一換字式暗号とも呼ばれるのですが・・・・・・

ならば一対一でなくしてしまえばいい、と様々な暗号が考案されていくことになります。


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今回メアリー一派が用いていたのはノーメンクラタ暗号と呼ばれるもので、文に「ノイズ」を混ぜることで目眩ましの煙幕を張るというものです。

冗字とも呼ばれるそれを適宜混ぜることで統計情報を乱して対応表を見破られにくくし、更に一部の単語を短縮した数文字に割り当てることで一対一の法則を崩し、解読をより一層困難にします。

事実セシル一派は、当初この暗号を一部しか解読出来ていません。

だからこそ運び屋を二重三重の罠にハメた訳です。


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ちなみに。

この暗号も無敵という訳ではなく、いくつかの弱点が存在します。

一つが所詮単一換字式暗号に毛が生えたものなので、虫食い状態ではあるものの結構な部分が解読されてしまうことです。

まあ証拠として使うには話にならない訳ですが・・・・・・

それでもどんな話が書いてあるかくらいは読み取れてしまいます。

"的"を絞るには十分という訳です。


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もう一つが、暗号対応表「コードブック」が結構な分量になるため管理に重大な問題を抱えていることです。

アタリマエですがコードブックが見つかってしまっては暗号などないも同じです。

それなりの分量があるため本棚なんかに隠した日には見る者が見ればすぐバレるでしょう。

しかも同じコードをずっと使っていれば統計的に突き止められるリスクが増すばかりなので、定期的にブックは更新しなければなりません。

まあもっとも。

今回マヌケの所為で、これらの弱点突かれる前に解読されてしまった訳ですが。

こればっかりはどれだけ技術が発展しようともどうしようもありませんわね。