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No:665 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part660 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2025/07/23 07:02:26 単表示 返信

これは随分前にカオルに聞いた話なのですが。

当時非テキストモードでの描画は、スクロールさせるとマジで画面が波打っていたそうですからね。

どれだけ遅かったかわかろうというものです。


・・・・・・・・・しかしよくよく考えますと。


そんな時代なんて20年や30年昔じゃ効かないはずなのですが。

一体幾つなんですかねあのボケメイド。


          ◇          ◇          ◇


前にも言ったような気がしますが、カオルはわたくしがこの屋敷に来る前からウチのメイドやっています。

なのでウチに来た経緯とか本人のプロフィールとかあまり知らないんですよね。

一度お祖父様に聞いてみましょうか。機会があれば。


          ◇          ◇          ◇


閑話休題。

初期はそんな体たらくだったので、日本市場を席巻するなど夢のまた夢といった意見は社内でも噴出していたらしく。

一時期はマジで撤退も視野に入っていたそうです。

しかし。

それでも頑強に開発を続けたのには理由がありました。

それは・・・・・・「未来への期待と確信」です。


          ◇          ◇          ◇


先程も述べましたが、当時の業界はドッグイヤー・分進秒歩でした。

本当に恐ろしい勢いで技術革新が続々登場し、新製品が出るたびにら性能が倍になっていることも珍しくありません。

ですので・・・・・・

「今は遅い日本語表示も、技術革新のハードパワーで問題にならなくなる日がきっと来る」的な、ある種脳天気な予想と言いますか半分願望が罷り通っていたのです。
  • No:666 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part661 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2025/07/30 08:12:49 単表示 返信

    そしてその脳天気な予想は程なくして当たりました。

    これまでCPUが画面周りも担当していたのですが・・・・・・

    前述のように非常に遅かったので、専用の装置にやらせるようになったのです。

    ビデオアクセラレータカードとも呼ばれるそれは、まさに革命的進歩を実現したのです。


              ◇          ◇          ◇


    どれくらい革命だったかと言いますと・・・・・・

    ガチで10倍以上の速度だったそうです。

    それだけの能力があれば、そりゃ漢字表示も滑らかになるというものです。

    もっとも当初は文字通りの外付け装置で、それぞれの機種専用のビデオカードが売られていたそうです。


    但し──────


    国内メーカーの独自OSからは、標準では使えなかったようです。


              ◇          ◇          ◇


    と言いますのも。

    当時のPCは元々あまり拡張性を考えられたものではないらしく・・・・・・

    様々な機器を手間なく使えるようにするという発想自体がなかったようなのです。

    まぁこれに関しては、最初から互換性を考慮していたAT機が当時特異なだけで、別に異常なことではなかったのですが・・・・・・

    結果的に明暗を分けました。


              ◇          ◇          ◇


    何しろMS-DOSは非純正メーカー(サードパーティ)製ビデオカードでも基本的に設定なしで使えたのです。

    国内メーカー製PCも簡易的なビデオアクセラレータは搭載していましたが、フル機能のビデオカードには敵うべくもなく・・・・・・

    シェアを明け渡す重大な契機となったのです。
  • No:667 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part662 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2025/08/06 08:13:09 単表示 返信

    更に後年になると、強みであった漢字専用表示機能がかえって足かせになってきました。

    と言いますのも、漢字モードは高速性と引き換えに全画面を占有するため、後のWindowsと非常に相性が悪かったのです。

    何しろ複数ある小窓が独立でスクロールしたりしなかったりしますからね。

    全画面でしか使えないのではWindowsの存在意義に関わります。


              ◇          ◇          ◇


    翻ってビデオカードはどうかと言いますと。

    そもビデオカードとは画面のどんな部分でも超高速で描画するものです。

    もっともゲームなどでは全画面モードにした方が速いらしいのですが・・・・・・

    部分描画でも普段遣いで問題が出るようなことはありませんでした。

    つまりWindowsでも十全に使えるということです。


              ◇          ◇          ◇


    という訳で。

    これまでのテキストベースでは依然アドバンテージがあった国内メーカーも、Windwosの普及とともに遅れを取る場面が増えてきました。

    そうしてじりじり押し込まれているところに『黒船』が来寇しました。

    本格的マルチタスクOS・Windows95のエントリーです。


              ◇          ◇          ◇


    それまでのWindows3.1等は「見かけ上」複数のプログラムが同時に走っているように見えましたが・・・・・・

    実は裏でハム無線の如くオーバー言い合って譲り合い、一見同時に動いているように見せかけているだーけーでした。

    なので一つの小窓が落ちたり固まったりしたら直ちに影響が全体に及び。

    「複数同時に使える」というメリットがあまり感じられないものだったのです。
  • No:668 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part663 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2025/08/13 08:12:28 単表示 返信

    操作する人間はPCなら一人だから別にそれでも構わない?

    それはまあひとつの事実ではありますが・・・・・・

    突き詰めていくと、それは間違いとまでは言いませんが全く正しいとも言えなくなってくるのです。


              ◇          ◇          ◇


    例えばです。

    とても大きなファイルをコピーする必要があったとします。

    何十分もかかるような大きなファイルです。

    それとは別に、何か書類を書かなければならない用があったとします。

    そういう時どうしますか?

    ファイルコピーが終わるまでボケーっとアホ面晒して、終わったら書類に手を付けますか?

    普通の人間はそんなことしませんわ。

    何故なら「最初にコピー指示を出した時点で人間のやることは終わっている」からです。


              ◇          ◇          ◇


    そしてコピー中のファイルと全く無関係の書類作成時にクラッシュして、コピータスクもクラッシュしたらどう思います?

    わたくしなら窓から投げ捨てますわ。

    こんなもんが仕事で使える訳ありませんからね。


              ◇          ◇          ◇


    そう言う意味において、Windows95はようやく出現した「実用に足るWindows」でした。

    勿論そんな地味な機能だけでヒットしたのではありませんが・・・・・・

    世に浸透する最低限の能力を、ここに来てようやく備えたのです。
  • No:669 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part664 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2025/08/20 07:02:13 単表示 返信

    まあもっとも。

    当時はまだまだマルチタスクが未成熟で・・・・・・言うほど各ウィンドゥが独立していた訳ではありませんでした。

    所謂「何もしてないのに落ちた」が結構な確率頻度であったらしいですからね。

    特に外部機器を繋いだ時なんてほぼ運否天賦だったようで。

    Plug & Play(繋いで即実行可能)ではなくPlug & Pray(繋いだら祈れ)等と揶揄されたものらしいです。


              ◇          ◇          ◇


    流石にわたくしはそのようなことになったことはありませんと言うか、自分で何か繋ぐなどということはやりませんのでそんな機会があるはずもないのですが。

    エーファが時々、何やら怪しげな機械を繋いでは「動かないぃぃぃぃぃぃなんでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」等と喚いているのは見かけます。

    アレは正直、OSと言うよりはジャンクまがいの物体Xの方に問題があると思うのですが・・・・・・

    一向に懲りる様子がないのはなんだかなー、ではあります。


              ◇          ◇          ◇


    閑話休題。

    MS-DOSの流れを汲むWindows95は当然のごとくAT機用にも国内メーカー用にも発売されていました。

    OSそのものの機能に違いはなく、価格も同一でしたが・・・・・・

    国内メーカーは、徐々にAT機に引き離されていったのです。


              ◇          ◇          ◇


    原因は大きく2つ。

    一つは本体価格に差がありすぎました。

    標準的国内メーカーPCとAT機では、下手するとほぼ2倍の差があったのです。

    無論、高い方が国内メーカーです。
  • No:670 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part665 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2025/08/27 08:12:01 単表示 返信

    何故其処までの違いが出たかと言いますと・・・・・・

    端的に言えば純正1社のみと雑多なサードパーティー連合の違いです。

    何しろAT「互換」機ですからね。

    むしろIBM純正機のシェアは半分以下だったとも言われています。


              ◇          ◇          ◇


    しかもAT機は世界中が市場であり、あちこちの国の会社が互換パーツを生産しています。

    スケールメリットはもはや比べるのも馬鹿馬鹿しいレベルでした。

    その上国内メーカーPCはパーツの寄せ集めということが出来ずに1セット丸ごとの製造しか出来ません。

    つまりメモリ量等が異なるバリエーションを出しにくい構造だったのです。


              ◇          ◇          ◇


    メモリ量といえば。

    後からメモリを増やそうとすると、国内メーカーPCは「拡張メモリ」という位置づけで、拡張スロットにメモリカードを差し込む方式でした。

    しかしAT機はメモリカードそのものを専用スロットから引っこ抜いて大容量に差し替える方式で、当然のごとく国内メーカーよりも安価でした。

    AT機はそれどころかCPU引っこ抜いて取り替えすら可能であり、国内メーカーより遥に容易に行えたのです。


              ◇          ◇          ◇


    ユーザーが自分で行えるのですから、メーカーが組み合わせを変えてバリエーションを生み出すのは更に容易でした。

    新機種出すにしても、新旧組み合わせればいいのですぐ対応できました。

    しかし国内メーカーは独自「規格」と言いつつ実態は機種ごとの専用設計に近く、新しいパーツを使うためには丸ごと設計が必要な場合が多々ありました。

    これでは勝負になるはずもありません。

    事実、最初は性能優位を保っていた国内メーカーは、スピード感でAT機に押し負けていったのです。