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No:618 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part613 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2024/08/28 07:02:39 単表示 返信

暗号論に記されている暗号化方法は「アルベルティの暗号円盤」と呼ばれる手法です。

これは大小2枚の金属製円盤を重ねて中央で止めたもので、小さい内側の円盤が自由に回るようになっています。

そして両方の円盤の外周にはアルファベット26文字と、物によっては数字記号なども刻まれていました。

このシンブルな構造を聞いて大体察せられると思いますが・・・・・・

内側の円盤を適当に回して外側の文字の位置に合わせることで、内側或いは外側を平文として、もう片方を暗号文に使って暗号化するものだったのです。


          ◇          ◇          ◇


ここまでの説明で頭の回転の早い方は「あれ?」と思ったかも知れません。

「結局1対1の暗号化なんだから単一換字式と変わらないじゃないか」と。

まあ、ある意味そうだと言えないこともありません。

しかし。

それは単に使い方が悪いと言いますか、何故わざわざ可動式にしているかに思い至ってないだけでしょう。


          ◇          ◇          ◇


まあ勿体ぶる程のことでもないのでさくっと説明しますが。

この暗号円盤での暗号化は「最初の20文字までは左に3つ、次の13文字は右に4つ」というような『指定』が可能なのです。

つまり暗号表を別指定で自在に変えられることを意味します。

言い換えれば『暗号表とは別要素で暗号化する』

即ちこの指定は暗号鍵と同じ役割を果たします。

これこそがヴィジュネル暗号の原型と呼ばれる所以なのです。


          ◇          ◇          ◇


このアルベルティの暗号円盤は400年後の南北戦争でも使われ、実際に使われた現物が今も残っています。

発明から精々100年のメアリー世代も使おうと思えば使えたハズですが・・・・・・

何故か使った形跡が見られません。

よくわからなかったから手を出さなかったかも知れませんが・・・・・・

後知恵ですが、命運を分けてしまいましたわね。