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No:563 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part558 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2023/08/09 07:02:46 単表示 返信

9歳で即位したエドワード6世は例によって病弱でした。

当時の青い血族の流行・・・・・・と言ったら不謹慎ですかね?

ただまあ衛生事情も栄養事情も劣悪な時代でしたから。

早死には身分の貴賤を問わなかったのは想像に難くありません。

しかして。

そんな有り触れた『死』であっても。

やはり国の頂点に立つ存在である以上、混乱と蠢動は避け得ないものであったのです。


          ◇          ◇          ◇


さて。

諸々の負債と地雷をバラ撒くにいいだけバラ撒いてくたばった下半身王ですが。

腹立たしいことに政治的感覚だけは秀でていたので、息子の天下が長く続かないであろうことを察知していました。

なので彼はエドワード6世の更に次の王まで指名していたのです。

その名はメアリー1世。

最初の王妃キャサリン・オブ・アラゴンとの間に生まれた一粒種です。


          ◇          ◇          ◇


まあぶっちゃけ。

別にサリカ法に縛られている訳でもないイングランドではメアリーの方がフッツーに継承順位高かった訳ですが。

王は男子でなきゃヤダいと駄々こねた下半身王が余計な混乱招いただけともいいますが。

奴にも多少の後ろめたさはあったのかも知れません。

もっとも。

メアリー以外の候補と言えば次に生まれたエリザベス1世だけでしたので。

選択肢はあってないようなものでした。


          ◇          ◇          ◇


という訳で。

悪性感冒にかかってベッドから起き上がれないエドワード1世を、ノーサンバランド公ジョン・ダドリーはあっさり見限る決断を下したのですが・・・・・・

遺言に従えば、次の主はメアリー1世に自動的に決まりです。

しかし。

彼ライル卿には、それを認める訳には行かない事情があったのです。