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No:585 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part580 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2024/01/10 08:45:14 単表示 返信

まあ見方を変えれば浮いたり沈んだり忙しい大貴族にあるまじき不安定さな訳ですが。

仮にも公爵位が3回も断絶するとか中々あるものではありませんわ。

と言いますかトマス・ハワード自体が3回目のノーフォーク公叙爵でして、ハワード家以前にもトマス・モウブレーとリチャード・オブ・シュルーズベリーがそれぞれ第1期ノーフォーク公、第2期ノーフォーク公と呼ばれていました。

ちなみに第1期は政敵と決闘寸前に当時の王リチャード2世に諸共追放されて客死、第2期は政敵にハメられてロンドン塔送り、第3期は歴代ロンドン塔に通い詰めともはや呪われてるんでは? な送葬たる爵位となっております。

・・・・・・いやホントマジで誰か呪っているのでは?

この時代呪咀の元には困らないにしてもちょっとアレすぎな気がしますわ。


          ◇          ◇          ◇


閑話休題。

メアリー1世の元で大逆転決めた3代目ノーフォーク公は1554年に死去し、孫がトマス・ハワードの名とノーフォーク公爵を受け継ぎます。

ちなみに1ヶ月前にメアリー1世はフェリペ2世との結婚を強行してますので、まさに凋落のとば口でひと足お先にあの世にエスケープした訳ですわね。

もしかしたらお先真っ暗な未来を垣間見て絶望のあまり寿命を縮めたのかもしれませんが。

そこら辺は神と本人のみぞ知る、ですわね。


          ◇          ◇          ◇


さて。

4代目ノーフォーク公を引き継ぎ、トマス・ハワードとなった野心溢れる18歳男児は、手始めに婚姻政策で権力の拡大を狙いました。

伯爵や男爵令嬢を次々娶り、自領へと取り込んでいきます。

そしてエリザベス1世の戴冠式を取り仕切り、枢密顧問官へと昇り龍の如く突き進みます。

一見すると順風満帆な人生。

しかし不満の芽は、着実に根を張っていたのです。


          ◇          ◇          ◇


それというのも。

枢密顧問官の前にガーター勲章に叙せされていたのですが、あろうことかついこの間大逆罪で処刑されたジョン・ダドリーの五男ロバート・ダドリーと同時だったのです。

一回だけなら誤射かもしれませんが、枢密顧問官への就任まで同時とあっては意思(或いは悪意)を感じるなという方が無理でしょう。

実際エリザベス1世には大貴族ノーフォーク公爵家を牽制する意図があったと言われています。

それが正しかったかどうかは・・・・・・正直微妙なところです。
  • No:586 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part581 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2024/01/17 08:43:45 単表示 返信

    と言いますのも。

    ノーフォーク公を牽制するなんてのはタテマエで・・・・・・

    愛人ロバート・ダドリーを重用するのが主目的と言われていたからです。

    ・・・・・・こう言っては何ですが。

    この時期のぢょうおうって色ボケしかいないんですかね?

    創作の青い血が軒並みちょろいのも作者の欲望と言い切れなくなってきますわ全く。

    困ったものです。


              ◇          ◇          ◇


    閑話休題。

    流石にリアル一目惚れがそう頻出する訳はなく。

    エリザベスとロバートの間にはそれなりの関係性がありました。

    最初の馴れ初めは先代"ブラッディ・メアリー"の時代、エリザベスがロンドン塔の常連さんに名を連ねていた頃でした。


              ◇          ◇          ◇


    メアリーが即位する前の「9日天下」女王ジェーン・グレイを擁立したジョン・ダドリーがロバートの父であることは以前触れました。

    実はロバートも積極的に関わっており、父処刑の次は彼の番であることは火を見るよりも明らかでした。

    そのためロンドン塔で順番待ちしていたのですが、そこで同じく大逆罪容疑で投獄されていたエリザベスと出会ったのです。


              ◇          ◇          ◇


    ロマンティックと言えるかは微妙な線ですが、お互い明日をも知れぬ身の上。

    吊り橋効果があったとて何等不思議はないでしょう。

    ついでに財産を取り上げられて困窮していたエリザベスを支援したこともあったようです。

    偉くなる前に優しくされたらコロっと逝くのもまあ、分からないではありませんわええ。
  • No:587 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part582 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2024/01/24 09:08:10 単表示 返信

    ともあれ。

    他ならぬ大逆罪(しかも真っ黒くろすけ)で投獄とあればどうあがいても断頭台一直線だったはずのロバートですが・・・・・・

    彼にはメアリー1世に対する特効とも言うべきコネがありました。

    母ジェーン・ギルフォードがメアリーの母キャサリン・オブ・アラゴンの侍従をしていたことがあったのです。


              ◇          ◇          ◇


    更にキャサリンはカール5世の叔母であり、そのルートでフェリペ2世ともコネがありました。

    さしもの"血塗れメアリー"も母と(この時点では将来の)夫からの要請は断りきれなかったと見えて、無事ロバートは釈放と相成りました。

    まあ首謀者of首謀者のジョン・ダドリーはどうあがいても処刑以外の道はありませんでしたが・・・・・・

    担ぎ上げられたジェーン・グレイとその夫のギルフォード・ダドリーの処刑にはあまり前向きではなかったそうなので、積極参加とは言え共犯でしかないロバートの処刑は案外最初からなくてもよいくらいの認識だった可能性はあります。


              ◇          ◇          ◇


    とまあ、本人認識では九死に一生を得たロバートは恩返しのためにフランス軍との戦いに身を投じます。

    目覚ましい功績を上げた訳ではなかったようですが・・・・・・

    無事五体満足でイングランドに帰投しました。

    エリザベスと熱烈な抱擁を交わしたかは定かではありませんが。

    無事を喜びあったことは想像に難くありません。


              ◇          ◇          ◇


    そしてイングランドにとって無益な戦争が一旦終わり。

    失意の底でメアリー1世が崩御した後──────

    新女王エリザベス1世が誕生します。

    そこから本格的に、ロバート・ダドリーの華麗なる波乱の人生本番が幕開けたのです─────────
  • No:588 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part583 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2024/01/31 10:29:49 単表示 返信

    先にも触れましたが、エリザベスは即位するや否やロバートの重用を始めます。

    主馬頭に始まり枢密院顧問官、ガーター勲章etcetc

    これで目覚ましい功績でも挙げていれば周囲の見方も変わっていたでしょうが・・・・・・

    この時点のロバートの功績と言えば、メアリー時代に要らない戦争に参加していたことくらい。

    ここまで成り上がるだけの実績があるとは到底言えなかったのです。


              ◇          ◇          ◇


    あからさまな依怙贔屓で出世したとなれば、当然周囲の反発は避けられない訳でして。

    中でもノーフォーク公は公然と「貴様王配狙ってイングランド好きにするつもりだろうベッドで死ねると思うなよ」と言い放ったといいます。

    後の所業を考えればどの口で言ってんのでありますが。

    まあ貴族なんてのは面の皮厚くないと勤まらないのでしょう。


              ◇          ◇          ◇


    そんなこんなで。

    ロバートは根も葉もある風評の中、一応それなりに業務をこなしていたのですが。

    1590年9月に、重大な事件が起こります。

    妻エイミーが階段下で不審死を遂げたのです。


              ◇          ◇          ◇


    この時期、ロバートが女王と浮気しているというのは公然の秘密でした。

    エイミーは親戚の家に別居させられ、毒殺を恐れて食事はまず飼い犬に与えるほど警戒していました。

    それだけ用心深ければ、階段から突き落とされるくらいは想定していたでしょう。

    しかし現実には、エイミーは転落時に折ったと思われる頚骨骨折で死亡していたのです。
  • No:589 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part584 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2024/02/07 09:02:17 単表示 返信

    現場の絵画が現代まで残されていますが・・・・・・

    ちゃんと手すりがあり、階段自体の高さもさほどではありません。

    ましてや日々警戒していたエイミーが『うっかり』転げ落ちるようには全く見えません。

    ついでに言えば当時の貴婦人は自宅であろうとも帽子を被るのが常識でして、現場にも帽子が転がっていました。

    しかし頚骨挫傷=頭部を強く打ったにも関わらず。

    帽子にはそのような形跡が見られなかったのです。


              ◇          ◇          ◇


    この怪しすぎる事件に、しかし検死官は不自然なまでに早く「事故死である」と断定しました。

    誰の思惑か知りませんが・・・・・・

    少なくともロバートとエリザベスにとっては凶報以外の何物でもありません。

    何故かって?

    世間は「女王が盲目になって邪魔なエイミーを暗殺した」としか見ないに決まってるからです。


              ◇          ◇          ◇


    実際この「風評」は事実であるかのように吹聴されました。

    敵対派閥(ノーフォーク公とかエリザベス腹心ウィリアム・セシルとかカトリック残党とかetcetc)もここぞとばかりにロバートと女王の結婚に反対しまくります。

    そんな逆風の中。

    エリザベスは苦渋の決断をせざるを得なかったのです。


              ◇          ◇          ◇


    エリザベス1世が即位したのが1558年11月20日、エミリーが『事故』死したのが1590年9月。

    1年半程度しか経っていません。

    その複雑な経緯から基盤が磐石とは言い難い政権で、しかもこのところイングランド王室は"この手の"やらかしで短命に終わりまくっています。

    流石に同じ轍を踏む訳には行かなかったのです。
  • No:590 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part585 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2024/02/14 09:00:28 単表示 返信

    ついでに言えば。

    平穏な時期がなかったとまで言われる『エリザベス王朝』ですが、この1560年代はまさに激動の時代。

    ただでさえ難題が山脈連ねているのに、これ以上クリティカルな問題追加するなと各方面からクレームつけられても致し方ないところではありました。

    規模は比ぶるべくもありませんが似たような立場のわたくしとしましては、心中お察ししますとしか言えませんわね。


    ・・・・・・結婚意識してる相手がいるのかって?


    ええい黙秘ですわ黙秘!!


              ◇          ◇          ◇


    おほん。

    そんなことはどうでもよろしくてよ。

    今語るべきはこの時期のエリザベス王権が如何に不安定であったか?

    それだけです。

    ええそれだけですとも。


              ◇          ◇          ◇


    いや実際本当に、就任したての女王稼業は前途多難ってレベルじゃありませんでした。

    前任者は本来無能ではなかったのですが・・・・・・晩年恋愛脳で見事にやらかしてくれやがったお陰で内外政はガタガタで抜本的な見直しを迫られており。

    宗教問題に至ってはこれまた前任者の強硬策の反動が噴出しまくっていて何処から手を付けていいやらの状態であったのです。


              ◇          ◇          ◇


    そんな訳なので。

    前任者がやらかした主原因と思われてる恋愛脳を表立って出すことは政治的にも物理的にも死を意味しました。

    ・・・・・・いやこう言っては何ですが前任者祟り過ぎでしょう。

    これマジで呪いの域に達してません?
  • No:591 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part586 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2024/02/21 08:37:39 単表示 返信

    まあオカルトはともかく。

    間に一人下半身事情と無縁の王(エドワード6世)を挟んだものの、イングランド王家がここのところシモで破滅していたのは事実。

    特に前任者は宗教弾圧までソッチ関係と見られていた節があります。

    ・・・いやホント、色に目が眩むとロクな事になりませんわね。

    くわばらくわばら。


              ◇          ◇          ◇


    とまあそんな訳なので。

    エリザベス1世は本当に、ほんっっっっっっとうーーーーーーに断腸の思いでロバートと結ばれることを諦めざるを得ませんでした。

    この辺りは山程創作されていますので、気になった諸兄は漁ってみてはいかがでしょうか。


              ◇          ◇          ◇


    もっとも。

    結婚は諦めたとしても依怙贔屓ゲフンゲフン推しを辞める気はなかったようで。

    1000ポンド/年にも及ぶ白生地の輸出税を渡したり、レスター伯に叙したりしています。

    ぶっちゃけ公私混同もいいところですが・・・・・・

    前任者と言いますかここのところの王は大体似たようなものだったので、あきらめムードが漂っていたようです。


              ◇          ◇          ◇


    そして何をどう拗らせたかわかりませんが・・・・・・

    エリザベス1世はロバートをふらふらしてるスコットランド女王メアリー・スチュアートに宛てがおうと画策します。

    一説には結婚反対派急先鋒のウィリアム・セシルの策だとも言われていますが真相は不明です。
  • No:592 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part587 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2024/02/28 08:41:04 単表示 返信

    そして当のメアリーはと言いますと。

    どうやらほとんど関心がなかったようです。

    ・・・・・・まあ散々っぱら自分の婚活邪魔してくれやがったエリザベスの持ってきた縁談なんぞフツーにノーセンキューでしょう。

    誰だってそーしますわたくしだってそーします。


              ◇          ◇          ◇


    特にこの時期は、イングランドと怨恨ありまくりのフェリペ2世の息子ドン・カルロスとの結婚を真剣に考えていた辺りです。

    イングランドの都合なんか知ったこっちゃなかったでしょう。

    と言いますかこの頃もずっっっっっっと「イングランド女王に相応しいのは私!」言いまくってましたからね。

    なんぼ恋愛脳のアホでもこんな見え見え過ぎるハニトラには引っかからなかったのです。


              ◇          ◇          ◇


    まあこの時期だとヘンリーに脳破壊されてなかったので多少は政治的な頭も残っていました。

    イングランドに隷従するつもりならともかく真逆なんですから論外of論外という奴です。

    ・・・ここでちっとはメアリーにも利がある提案しときゃーこの後の展開もう少しマトモになったんじゃないかと思いますが。

    当時それやると増長して手がつけられなくなった可能性もあります。

    難しいところですわね。


              ◇          ◇          ◇


    ちなみに。

    もう一方の当事者であるロバートがどう思ってたかと言いますと・・・・・・

    あんまり気にしてなかったようです。

    彼は元々浮気性のケがあり、次々乗り換えることに忌避感がなかったと言いますか。

    「縁がなかった? そうだねじゃあ次行ってみよう」みたいなところがありました。

    そんなだから死んで涙するのエリザベスだけになるんですわ。

    まあ一人いるだけマシという考え方もないではありませんが・・・・・・

    わたくしは賛同しかねますわね。
  • No:593 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part588 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2024/03/06 08:44:03 単表示 返信

    さて。

    時は流れ、メアリーがヘンリーと考えうる限り最悪の別れをして。

    あろうことかイングランドに亡命爆弾を持ち込んで暫し。

    イングランド宮廷に一つの陰謀が生まれます。

    歩く爆弾のメアリーにノーフォーク公という鈴をつけようという計画です。


              ◇          ◇          ◇


    事の起こりは、女王エリザベスが平民でプロテスタントのウィリアム・セシルを側近としている事態に旧教貴族らが不満を抱いている宮廷力学からでした。

    エリザベス自身は宗教融和政策を取っていたのですが・・・・・・

    TOPが言ってハイそうですかとなるなら、この後も100年以上戦争したりしません。

    その上権力闘争も密接に関係しているのですから、正直やってられないというものです。


              ◇          ◇          ◇


    まぁとは言っても。

    放置していいことなぞ何一つありません。

    嫌でもやらなきゃならないのが女王のつらいところですわね。

    後世でなんだかんだ言われまくる女王ですが、その辺りは同情に値しますわええ。


              ◇          ◇          ◇


    ともあれ。

    新教のセシルと(一応)旧教のロバートを同時に重用することでバランスを取っていた(つもり)のエリザベスでしたが、ぶっちゃけ後者に関しては私情駄々漏れすぎて宗教バランスなんておためごかしは誰も信じていませんでした。

    旧教側の不満が溜まるのもむべなるかなです。

    そんな訳で。

    イングランドの宗教内乱は始まったばかりだったのです─────────
  • No:594 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part589 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2024/03/13 08:42:58 単表示 返信

    まあ一応。

    首謀者のノーフォーク公とロバートは、女王に反旗を翻すなど以ての外と考えていたようではあります。

    お題目としては宗教にそれ程のめり込んでないノーフォーク公がメアリーを操縦することで旧教勢力から引き剥がし、同時に王位簒奪を未然に防ぐというものでしたが・・・・・・

    言っては何ですが、当時でもほとんど信じられてなかったようですわよ?

    何かにつけ「私こそがイングランド女王正統である!」とか抜かしてるメアリーは有名でしたからね。勿論悪い意味で。

    その上ガチガチの旧教狂信者と来ては、絵に書いた餅の方がまだ食べられそうというものです。


              ◇          ◇          ◇


    更に言うと。

    この陰謀に加担した一大勢力である北部貴族どもなんて、エリザベス廃位しか狙ってないと言っても過言ではありませんでした。

    実際バレてから開き直って叛乱起こしてますからね。速攻で鎮圧されましたけど。

    正確には途中で軍資金が尽きて途中で解散ですが・・・・・・

    言っては何ですが、もうちょっと計画的に物事運べなかったんでしょうかね?

    まあ計画破綻してやけくそ蜂起のようでしたから、残当と言えば残当です。


              ◇          ◇          ◇


    そもそもなんでこの陰謀がバレたかは諸説ありますが・・・・・・

    ウィリアム・セシルが思想の元、秘密警察を組織中だったフランシス・ウォルシンガムの最初の手柄とする説もあれば、セシル自身の情報網(当時北部長官だったサセックス伯など)に引っかかったとも言われています。

    まあ当時から不満たらたらでしたからね。

    官憲としてはマークしていて当たり前といえばその通りでしょう。


              ◇          ◇          ◇


    しかしまあ。

    制御不能の狂犬どもと組まねばならなかったノーフォーク公は御愁傷様ではあります。

    放置してたらもっと酷いことになると考えたのでしょうが・・・・・・

    結果的に大差ありませんでしたわね。

    己が生まれの不幸を呪うがいい、としか言いようがありませんわ。

    なんまんだぶなんまんだぶ。