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No:575 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part570 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2023/11/01 09:43:46 単表示 返信

そりゃまあ自分(メアリー1世)が下半身父王の遺言を盾に玉座に着いたんですから、其処に明記されてる王位継承順位(エドワード6世>メアリー1世>エリザベス1世)を反古になんぞしようものならただでさえ危うい自分の評判がマントル層ぶち抜いて地球の中心まで潜航するのは火を見るよりも明らかです。

流石に直系子女がいれば、遺言より歴史ある継承法が優先されたでしょうが・・・・・・

子を産めなかった以上、遺言は置いといてもエリザベス1世以上に血の濃い親戚は存在しなかったのです。


          ◇          ◇          ◇


とは言うものの。

人間は所詮感情の生物です。

自分を庶民に貶めた上、母を追放した売女の娘を認める道理なんぞメアリー1世にはありゃしませんでした。

それでも死のギリギリ間際になって愛国心が勝ったのでしょうか。

崩御の前日に。

メアリー1世は、エリザベス1世を後継者と認めたのです。


          ◇          ◇          ◇


1558年11月17日、メアリー1世崩御。享年42歳・在位5年の年数で言えば平均的な、しかし波瀾に満ちた人生でした。

彼女の人生は徹頭徹尾下半身王に振り回されましたが・・・・・・

最後の方はまあ、言ってはなんですが自業自得だった部分がかなりあったかと思います。

致命打となったフェリペ2世との結婚は・・・・・・まあ打算が狂っただけなんでしょう。

同じ名前のスコットランド恋愛脳女王程色ボケはしてなかったようです。

とは言うものの、旨味の薄そうなイタリア戦争に出兵してしまった辺り、もしかしたらもしかするかも知れませんが。

この辺は文字通り墓まで持って逝ってしまったので謎のままですわね。


          ◇          ◇          ◇


それにしても。

人の命日を200年にも渡って祝日化するイングランドの民度はどうなってるんですかね?

プロテスタントを老若男女無差別に近く37564にしてたのは事実ですが・・・・・・

政策として圧政を敷いた訳ではなさそうですし、やしり新教の連中があることないこと吹聴して回ったのではないでしょうか?

全く・・・勝てば官軍とはよく言ったものですわね。

呆れたと言うより正直ドン引きですわよ?
  • No:576 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part571 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2023/11/08 09:42:42 単表示 返信

    まあそんなこんなで。

    いよいよイングランドはテューダー朝末期、通称エリザベス朝の時代を迎えます。

    しばしばイングランド最盛期とも呼ばれるこの時代。

    そのトップリーダーたるエリザベス1世は・・・・・・

    まあ色々諸々様々な言われようをしますが、歴史に燦然と輝く傑物であったことは誰にも否定できないのです。


              ◇          ◇          ◇


    彼女に関する話は何処ぞの山メニュー並に超大盛りですので、機会があったら都度お話するとしましょう。

    ・・・いや本当、何でこんなにイベント特盛なんですかねこの人。

    時代の節目と言われればそれまでですが・・・・・・

    歴史の荒波に飲まれなかったから名を残したのか、寵児が波乱を呼んだのか。

    今となって時代をある程度俯瞰できるようになっても、この鶏卵論争にケリが付く気がしませんわね。

    例えタイムマシンがあったとしても。


              ◇          ◇          ◇


    まあ時空の歪みだとか運命の流れとかが可視化でもされれば別かもしれませんが。

    そうであっても、人の意志が全て丸見えにでもならなければやっぱりどちらが原因かなんてわかりゃしませんし、それでいいとわたくしは思います。

    だって歴史のifまで確定してしまったらつまらないじゃありませんか。

    何もかも確定した未来なんて、あっていいこと何一つありゃしませんわ。

    不確定なくらいがちょうどいいのです。


              ◇          ◇          ◇


    と、言ってはみたものの。

    わたくしは少ないながらも面倒見てやらなければならない者達がいます。

    不確定を楽しむのは余裕が出来てからです。

    いやはや全く・・・・・・面倒なことですわね。
  • No:577 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part572 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2023/11/15 09:43:05 単表示 返信

    閑話休題。

    暫く国内あらゆる意味でてんやわんやのイングランドですが。

    例によって外患も抱えていました。

    まあ正確には内憂みたいなもんですが・・・・・・

    紆余曲折有りまくった女王エリザベス1世の玉座を脅かす『もう一人のメアリー』。

    スコットランド女王メアリー・スチュアートその人です。


              ◇          ◇          ◇


    この恋愛脳女王については前にもちょくちょく触れてきましたが・・・・・・

    表舞台に立って盛大にやらかしまくるようになるのは、実はエリザベス女王即位からです。

    正確には半年程前のフランソワ2世との結婚からですが。

    まあこの時やらかしたのは義父のアンリ2世の方ではありますが・・・・・・

    何にせよ、『もう一人のメアリー』のやらかしヒストリーデビュー戦ではあったのです。


              ◇          ◇          ◇


    で、そのやらかしの内容ですが。

    アンリ2世「エリザベス? あんな王族籍何回も剥奪された奴に玉座が相応しい訳ないだろいい加減にしろ。うちの息子の嫁はその点血統書付きだぞさっさと譲位しろ」(意訳)等とイングランドにクレーム入れやがったのです。

    いやあもう、それはそれは炎上したそうですわよ?

    まあもっとも。

    その方が都合がいい旧教派どもは挙って支持したらしいですが。


              ◇          ◇          ◇


    元を正せば無思慮に王妃とっかえひっかえした下半身王が全部悪いんですけどね?

    奴はとっくにあの世に逃亡済なので責任取らせることも出来ません。

    かくして。

    ただでさえ面倒な宗教戦争に俗世の利害関係まで加わって。

    欧州はあちこち巻き込んで週修不能の混乱の時代に突入していくのです─────────
  • No:578 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part573 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2023/11/22 08:49:42 単表示 返信

    ──まあぶっちゃけた話。

    この時期の混乱は歴代フランス王が方々に要らない喧嘩吹っ掛けては頓死とを繰り返したことによるのが大きいです。

    流石にあの世にトラバーユ予定だから後先考えない欲望一直線したんじゃあないと思いたいところですが。

    仮にマジでそうだったとしても驚きはないと思いますよええ。

    それくらい酷かったのです。


              ◇          ◇          ◇


    そうするといい迷惑なのは自国の民と隣国です。

    まあもっとも民はともかく周辺諸国も大概似たりよったりではありました。

    イングランドは元よりスペインもプロイセンもオーストリアもやってることは大して変わりません。

    暇さえあれば1に侵略2に侵略、34も侵略5に侵略です。

    正直どの面下げて優雅だ気品だ抜かしてるのかと。

    まあ、本質アレだからこそ上辺だけでも取り繕おうと言うところでしょうか?

    ・・・わたくし?

    わたくしは生まれも育ちも文明人ですわよ?

    内実蛮族と一緒にしないで頂きたいですわね、ほほほほほ。


              ◇          ◇          ◇


    閑話休題。

    フランス王太子を産めなかったメアリーは、夫の死によりフランス宮廷での居場所を失いました。

    元々イングランドから亡命してきたようなものですし、親戚筋のギーズ一家は時の摂政母后カトリーヌ・ド・メディシスとの暗闘に明け暮れていて王妃の立場を喪ったメアリーにはほとんど目もくれなかったのです。


              ◇          ◇          ◇


    まあもっとも。

    メアリーのスコットランド女王としての立場は押しも押されぬものですし、何ならイングランド玉座にだって手が届く血筋です。

    正直なところ、彼女的にもフランスに居座っている意味はほぼほぼなかったと思われます。

    なのでスコットランドに帰国するのに抵抗はなかったんじゃないでしょうか。

    ただし。

    それが本人にも周囲にも幸せをもたらしたかと言いますと・・・・・・まあうん。

    人生いろいろありますわええ。
  • No:579 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part574 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2023/11/29 09:38:12 単表示 返信

    まあもっとも。

    何一ついいことがなかったか? と言いますと別にそんなことはなく。

    彼女がいなければ歴史あるイギリス王室の血筋は断絶していました。

    そりゃ傍系辿ればいたはいたでしょうが・・・・・・

    正統かつ直系が今日まで続いたのは間違いなくメアリー・スチュアートの功績です。

    エリザベス1世が王族の勤め果たさなかったとも言いますが。

    まあこればっかりは縁ですので。


              ◇          ◇          ◇


    とは言え。

    当時王が血を残すなんてのはアタリマエ以前の話だったので当然評価なんぞされませんでしたが。

    「宮廷では評価されない項目ですからね」等と嘯いたかは不明ですが・・・・・・

    まあ要らない火種だったのは確かです。


              ◇          ◇          ◇


    ただまあ。

    ダーンリー卿なんていう『ハズレ』を引かされたのを、彼女自身にだけ問題を帰結するのはちと酷ではないかとも思います。

    何しろマトモな結婚候補は悉く邪魔されてきましたからね。特にエリザベス1世とカトリーヌ・ド・メディシスに。

    それだけ正統なる血統を脅威に感じてたのでしょう。

    実際亡命してたとは言え、王位継承権剥奪されたことなんて一回もありませんからね。

    血統書に瑕もないとなればそりゃあ脅威でしょうよ。


              ◇          ◇          ◇


    加えて本人が「我こそはイングランド王正統である」と何かにつけ吹聴してましたから、彼女に問題がなかったとは口が裂けても言えませんわ、ええ。

    まあ強硬主張がなくとも嫌がらせはしてたでしょうから歴史は大して変わらなかったかも知れませんが。

    結局「君の親戚筋がいけないのだよ」になるのがなんともはや、ですわね。
  • No:580 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part575 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2023/12/06 09:35:55 単表示 返信

    ともあれ。

    くっそややこしい政治情勢の間隙を突くメアリーのイングランド亡命は、主に下半身王の負の遺産の所為で容易に手出しならざる状況を利用したまさに起死回生の一手でした。

    一見自棄を起こしたとしか思えない暴挙でしたが・・・・・・

    結果的にこれはメアリーの寿命を伸ばしました。

    まぁぶっちゃけ其処まで計算してたかは非常に怪しいと個人的には思っていますが。

    誰もが虚を突かれ、誰もが手をこまねく状況に持ち込んだのは紛れもない事実です。

    こういうのを「持っている」と言うんですかね?


              ◇          ◇          ◇


    まあもっとも。

    真にメアリーが賢者にして謀略家であり、また自身と周囲の状況を正確に把握してればそれこそ天寿を全うできたのでは? とも思います。

    メアリーはエリザベスにとって地雷かつ(黙っていれば)不発弾です。

    下手に手を出そうものなら折角(タテマエ上は)穏当に継いだ玉座がまたキナ臭くなることは必定。

    エリザベス側から手を出せない以上、メアリーの身は(何もしなければ)安泰のはずだったのです。


              ◇          ◇          ◇


    しかし実際はと言いますと。

    メアリーは亡命後も「我こそは真のイングランド王なり」と公言して憚りませんでした。

    まぁローマ教皇やらスペイン王フェリペ2世やらの旧教勢力はメアリー支持を隠そうともしませんでしたから、自分の力と勘違いして気が大きくなっていた可能性はあります。

    ぶっちゃけアホの子としか思えませんからね、所行を見るに。

    少なくとも政治的才に長けていたとは到底思えません。

    ちょっとでも政治的センスがあったら再婚強行なんてする訳ありませんから。


              ◇          ◇          ◇


    しかもその上。

    タテマエの亡命軟禁なんて知らないわとばかりにイングランド中を旅しては度々クーデターに関与するなど、もうやりたい邦題やってました。

    エリザベスもよくもまあ20年近く放置してたものですわ。

    それだけ9日天下女王の二の舞は避けたかったのかも知れませんが・・・・・・

    流石にメアリーががっつり関わってた証拠が出てきたバビントン事件では、処断の決断をせざるを得なかったようです。
  • No:581 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part576 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2023/12/13 09:38:36 単表示 返信

    まあもっとも。

    最期のバビントン事件は半ばハメられたようなものですがね。

    何しろクーデター企む側に、スパイが二人も紛れ込んでいて。

    あまつさえ計画遂行を煽ってさえいたのですから。


              ◇          ◇          ◇


    当時エリザベス1世の側近に"サー"・フランシス・ウォルシンガムという男がいました。

    法律家で旧家の出である彼は、国王秘書長官ウィリアム・セシルに見出されて秘密警察を設立。

    彼が設立したMI5の前身は、都合20回以上にも渡って彼の主君を兇刃から守護り続けました。

    エリザベス朝を支えた大立て役者でありましたが、あんまり主君からは好かれてなかったようです。

    無論、個人の好き嫌いで無下に扱うほど狭量ではありませんでしたが・・・・・・

    個人的な援助をしたことは一度たりともなかったと言われています。


              ◇          ◇          ◇


    さて、そんな不遇なウォルシンガム長官でしたが職務怠慢だったことは全くありませんでした。

    その原動力はガチガチのプロテスタントでカトリック撲滅に血道を上げてたからとも言われていますが・・・・・・

    まあ実際旧教派からはフツーに悪魔呼ばわりされていました。

    浅黒い肌で服も真っ黒とあっては誰だってそう言うでしょう。

    実際旧教徒への当たりはガチで悪魔の如き所行だったようですし。


              ◇          ◇          ◇


    そしてメアリーを破滅に導いたバビントン事件こそ、彼ウォルシンガム秘密警察長官が描いた絵図でした。

    その青写真は、バビントン事件の前に起きた大規模な陰謀。

    リドルフィ事件なら描き始めたと言われています。
  • No:582 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part577 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2023/12/20 09:26:30 単表示 返信

    さて。

    リドルフィ事件を語る前に、重要な登場人物について触れておきましょう。

    第4代ノーフォーク公爵家当主・トマス・ハワードです。


              ◇          ◇          ◇


    ノーフォーク公という名に聞き覚えはないでしょうか?

    そう、下半身王最初の再婚相手であり。

    エリザベス1世の実母であるアン・ブーリンの母方の伯父こそがこの4代目ノーフォーク公だったのです。


              ◇          ◇          ◇


    アン・ブーリンと言えば。

    下半身暴走王誕生の一因とも言われ、正妃昇格後も相当やりたい放題で死後まで娘エリザベスに多大な迷惑をかけたことで知られる悪役令嬢の鏡みたいな存在ですが。

    当代(3代目)ノーフォーク公的には権力の源泉の一つではありました。

    もっとも王太子誕生が絶望的になってからは綺麗に手のひら返したようですが。

    まあ大して接触もなかったようでしたから残当と言えば残当ですわね。


              ◇          ◇          ◇


    次の王妃キャサリン・ハワードの方が血縁的には若干近く、ノーフォーク公は我が世の春を謳うかと思いきや・・・・・・

    ある意味アン・ブーリンより悪い状態に陥ります。

    姦通罪で告発されたのです。
  • No:583 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part578 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2023/12/27 09:24:09 単表示 返信

    まあぶっちゃけた話をしますと。

    このキャサリン・ハワード、ティーンエイジャーからアレしまくっていたとのことなので残当と言わざるを得ません。

    下半身王もいよいよ焼きが回って手当たり次第になったかって感じですわね。

    この頃になると不摂生でも祟ったのかブクブク中年太りしてきてたようですから、アタマの方にも贅肉がついてきたのでしょう。

    自業自得という奴です。


              ◇          ◇          ◇


    まー下半身王がガチクズなのは歴史的事実ですが、キャサリンの方もそれは酷いと言いますか醜い争いでした。

    王側近「新王妃は元恋人フランシス・デレハムと今も密通している! 不倫だ!」
    キャサリン「わたくしは無理矢理手込めにされたのです! 浮気ではありません!」
    デレハム「俺はもう別れたんだ! ヤってない! むしろトマス・カルペパーと今でも密通してるぞあの○ッチ!」
    キャサリン「何を根拠にそんな誹謗中傷を! 訴えますわよこの○小!」
    侍女「ごめんなさいぃぃぃ私キャサリン様とトマス様のお付き合いサポートしてましたぁぁぁ殺さないでくださぁあぃぃぃぃぃぃ」
    キャサリン「」
    下半身王「・・・お前ら全員死刑な(#^ω^)」

    ・・・・・・いやホントもうね。


              ◇          ◇          ◇


    とまあスキャンダルと言いますか醜聞と言いますか。

    身内から2回も似たような理由で処刑者出してしまったノーフォーク公はまさに崖っぷち、9回裏ツーアウトでした。

    と言いますか当時の当主3代目ノーフォーク公は既に王家名物ロンドン塔に幽閉済みで、処刑秒読み待ったなしでありました。

    しかしながら下半身王が死刑執行前におっ死んだので、九死に一生を得たのでした。


              ◇          ◇          ◇


    とは言うものの状況が好転した訳もなく、ノーフォーク家の命運は風前の灯と見られていましたが・・・・・・

    ここで逆転ミラクルの目が生まれます。

    エドワード6世崩御後の混乱に乗じて、後の「ブラッディ・メアリー」が自鴒に逃げ込んできたのです。
  • No:584 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part579 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2024/01/03 15:50:38 単表示 返信

    この事件は運命的ではありましたが必然でもありました。

    ガッチガチのカトリックであるメアリーの行き先なんて同じ旧教系しか有り得ませんでしたし、下半身王に疎遠にされていたとは言えノーフォーク家は仮にも公爵です。

    近辺でメアリーが逃げ込めるところと言えばここしかありませんでした。

    国家簒奪を企んだジョン・ダドリーにとっても恐らく自明であったと思われますが・・・・・・

    ただどうも、何処か甘く見ていたフシがあります。


              ◇          ◇          ◇


    メアリー脱走を知ったのがもはや手遅れのタイミングであったのは確かなようですが・・・・・・

    どうもこのノーサンバランド公、メアリーへの追撃よりジェーン・グレイ女王即位を優先させたようなのです。

    枢密院は懐柔済みでしたし、マトモな支持基盤を持たないメアリーなぞ恐れるに足りず等と慢心していたのでしょう。

    結果はご覧の有様ですが。


              ◇          ◇          ◇


    これは憶測ですが。

    自身が新教狂信者で周りも類は友を呼んでいたので、王位継承権の正統性なんぞどうとでもなると錯覚していたのではないでしょうか?

    新教勢力圏のイングランド南部すら離反したのにはかなり驚いていたらしいですし、エコーチャンバー症候群に陥って世間の情勢見誤ったのではないかと思います。

    まぁ当時インターネッツもTVもありませんでしたから、情報精度はお察しではありますが。

    それでも読み切らなきゃならない場面でした。


              ◇          ◇          ◇


    まあ結局ジョン・ダドリーは『持ってない』人間だった。

    そういうことなのでしょう。

    その意味ではノーフォーク一族は『ある意味』持っている一家だと言えるかもしれません。