No:
507
タイトル:
GEAR戦士撫子 新Part502
お名前:
プロフェッサー圧縮
投稿日:
2022/07/13 10:13:57
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しかもただの政略結婚ではありません。
プロテスタントの名目上の首魁、ジャンヌ・ダルブレの息子アンリとカトリックの守護者カトリーヌの三女マルグリットとの政略結婚。
文字通りついこの間までお互いを不倶戴天の仇敵と罵り、虐殺を繰り返してきた同士が明日から俺達はファミリィだ!と肩を組め、と言っているのです。
いくら昨日の敵は今日の友、利益が合致するなら喜んで仮面を被る貴族としても物には限度というものがありました。
◇ ◇ ◇
そもそもの話。
旧教vs新教の血で血を洗う戦いは大規模衝突(ユグノー戦争)だけ数えても三回目が終わったばかりです。
しかも旧教(国王陣営)がかなり足元見られた和平()条約を結んだ直後に「これから仲良くしましょ」等と猫撫で声出されてもサブイボ立つだけと言うもの。
実際婚約の段取りしたいから宮廷に出てこいと圧力をかけるカトリーヌにジャンヌは最初鼻で笑ったと伝えられています。
誰がどう見たって仇敵の首級狙いの罠に決まってますからね。
誰だって断ります わたくしだって断ります。
何なら氷水でも送り付けてこれで都合いい夢から覚めなさいなとでも言ってやりますわええ。
◇ ◇ ◇
しかし結局、紆余曲折と貴族流の迂遠な罵倒合戦の果てに。
ジャンヌは息子と王妃マルゴとの結婚を了承してしまいます。
宗教対立はもう10年を数えようとしており、新旧融合和解の象徴となるべきという正義のタテマエに抗いきれなかったのです。
現代の後知恵で考えても、他の選択肢が取れたかというと難しいところではあります。
ただまあ・・・・・・
他に選択肢がない状況というものは、往々にして詰んでると同義です。
残った選択肢が最悪であっても、其処に向かうしかないのは悲劇でありましょう。
◇ ◇ ◇
さて。
政略結婚の当事者たるジャンヌの息子アンリですが、この人も中々どうして波乱の人生を送っています。
といいますかここからが波乱の本番です。
ただまあ、なんだかんだでこの時代で50代まで生き長らえたのですから割と豪運な人とは思います。
周囲がバタバタ死んでいきますから特に。