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No:550 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part545 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2023/05/10 09:32:04 単表示 返信

ざっくり言いますと聖職者に対する財産権及び裁判権は教皇が管理していて、国からは口出しできない状態でした。

治外法権もいいところですわね。

そんなだから腐敗が進んで宗教改革戦争が勃発する訳ですがそれはともかく。

宮廷や議会からの評判が最悪なのは当然のことと言えます。

国王の色ボケに眉を顰めていても、乗るしかないこのビッグウェーブにてなもんです。

坊主も生臭ければ役人議員も生臭とは地獄ですが、まあ現実なんてこんなもんですわね。


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またヘンリー8世が無駄に下半身パワーを発揮して文献を漁りまくり、霊的首位権は教皇の専売特許ではないとの論陣を張りました。

これは聖職者の権力からの排除に一定の効力を示したとされ、後の王権神授説にも影響を与えたと言われています。

基督教において重要なマイルストーンでありましたが・・・・・・

ほぼ教義に関係ないシモ事情が原動力と考えると、なんとも微妙な気持ちになりますわええ。


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その後。

ヘンリー8世は宗教改革議会を発足させ、次から次へと聖職者の特権を奪う法律を制定します。

聖職者兼業の禁止、教会裁判権の剥奪etcetc...

中でも決定的だったのが1533年に制定された上告禁止法です。


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これは裁判はイングランド国内で完結するものとし、国外(要するにローマ教皇)の裁判権を認めないというものでした。

つまり教皇は離婚問題について影響力を持てなくなると言うことであり、キャサリンが教皇に助けを求めることも出来なくされたのです。

当然の如く時の教皇クレメンス7世はヘンリー8世を破門しましたが・・・・・・

ヘンリー8世にとってはむしろ望むところだったのです。