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No:630 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part625 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2024/11/20 08:12:15 単表示 返信

さて。

この史上最初のコンピューターENIAC、実はノイマン型とは呼ばれてません。

そもそも設計開発したのはペンシルベニア大学のジョン・モークリーとジョン・プレスパー・エッカートであり、この時点でノイマンは関わっていなかったのです。

では何故コンピューターの開祖がノイマンであるかのように言われてるかと言いますと。

後に大改造した後期型ENIACに深く関わっているからなのです。


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先にも触れましたが、最初のENIACにはプログラムを記憶しておく場所がほぼありませんでした。

なのでチューリングマシンに必要な「戻って読み書きする」ことがかなり困難だったのです。

数式の中には値を変えて繰り返すものもそれなりにあるらしいので(わたくしは習ってないのでよくわかりませんが)、この戻りが困難=ループができないのはかなり困ったことになったようです。


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そこで戻れるようにプログラムを記憶しておくプログラム内蔵方式の検討が始まり、何人かが幾つかの方式を書き上げました。

その中にノイマンの論文である"First Draft of a Report on the EDVAC"(EDVACに関する報告書の第一草稿)があったのです。

EDVACとタイトルにあるように、これは元々ENIACの改造案ではなく次世代機EDVAC用に議論されたものでした。

しかしここでの成果は結局ENIACにもフィードバックされることになります。


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この報告書はEDVACをプログラム内蔵方式にするにあたり、どのような装置が必要であるかを纏めたものです。

そこには現代コンピューターが備えている必須機構が余す所なく書かれていました。

これこそが現代コンピューターがノイマン型と呼ばれるようになった所以です。