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No:510 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part505 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2022/08/03 13:03:52 単表示 返信

まず前提として。

コリニー提督以下ユグノー貴族らは、結婚式参列のため自嶺軍を率いてパリに来ています。

これ自体は当時普通のことで、むしろ少数の護衛だけで来る方が恥とされる風潮がありました。

ましてや先立っての戦争は上層部がある意味勝手に手打ちにしたもの。

真の意味での和解などとは程遠かったのです。


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そんな情勢への不安もあってか。

コリニー提督軍だけでも4000を数える陣容がパリ郊外に屯していました。

勿論カトリック貴族も集結していましたが・・・・・・何しろここは本拠地も本拠地、花の首都パリです。

もしこの場で戦争が再発でもしたら、著しく不利なことは否めません。

ユグノー陣営は目と鼻の先どころか喉に剣先が食い込んでいるような状態です。

市民の避難など間に合う訳がありません。

そう。

既に導火線は極限まで短くされ。

後は爆発を待つばかりになっていたのです。


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それにパリという街自体がフランスの旧教総本山のようなところもあります。

元々プロテスタントはドイツに端を発したキリスト教一派です。

歴史的に長年ドンパチやってきた因縁の相手であり、主要構成民族もラテン系とゲルマン系で違います。

ドイツがどんどん新教にかぶれ染まっていく中、対抗心もあったかと思われます。

そんな訳で。

大多数のパリ市民はプロテスタントをよく思っておらず。

コリニー提督暗殺未遂を機に、ユグノー軍がパリに雪崩込んで皆殺しにされるのではないかと恐怖で眠れない夜を過ごしていたのです。


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ちなみに。

治安を担うパリ総督モンモランシー公フランソワは結婚式の直後にパリから遁走しています。

中々の危機察知能力ですが・・・・・・仮にも責任者が真っ先に逃げ出すというのはどうかと思いますわよ?

なんだかんだで殺害されずにベッドで死を迎えたところを見ると、生存能力は本物だったんでしょうけど。

生物としては優秀でも、上には据えたくない人材ですわね。