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No:612 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part607 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2024/07/17 08:59:16 単表示 返信

このように優れた難読化を達成するヴィジュネル暗号ですが・・・・・・

暗号強度の大幅な強化と共に、注目すべき革新的な機能が2つあります。

順に見ていきましょう。


          ◇          ◇          ◇


まず1つ目は「暗号鍵概念の導入」です。

従来の暗号は元文と変換表の二要素しかなく、コードブックが発見された時点でおしまいでした。

しかし第三の要素を導入することにより、暗号表が見つかったところで直ちに影響はないのです。

更に言うと暗号鍵は大抵短文ですので、秘匿性に優れています。

それこそブックカバーの裏に書いてもよし、ネクタイの裏地に縫い付けてもよしです。

かさばる暗号表を隠すより遥に優れています。

これがヴィジュネル暗号が画期的であることの理由その1となります。


          ◇          ◇          ◇


ちなみに。

極端なことを言うと暗号表は公開してしまってもいいくらいで、実際現代の暗号は暗号表が大々的に公開されているものが主流です。

正確に言うと暗号表を生成する方程式が公開されています。

その代わりと言ってはなんですが暗号鍵が2つに増えており、暗号化する鍵と復号化する鍵に別れています。

これら2つの鍵は必ず同時に生成され、片方で暗号化したもの以外はもう片方で復号化できません。

どうしてそうなるかは以前聞いたのですが・・・・・・

ぶっちゃけ全く理解できませんでしたわええ。


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そして画期的発明2つ目が「一つの要素から他要素を類推することがほぼ不可能」という点です。

単一換字式暗号最大の欠陥は暗号表がなくとも類推できてしまうところでしたが、このヴィジュネル暗号にそのような脆弱性はありません。

何故かと言いますと先程お話したように暗号鍵は足りなければ頭に戻って繰り返ししますので、暗号鍵の長さを推し量ることすら困難になっているからです。

仮に暗号表を手に入れたとしても縦軸の該当文字が全くわからないので、統計的推論をすることもできません。

総当たりで意味が通じる文を作り上げるとしても膨大な試行錯誤が要求されますし、何よりその結果が正しいかを保証する手段がないのです。

この特性からわかるように、暗号鍵が類推さえされなければほぼ無敵と言っていいです。

あくまで"この時代では"とただし書きがつきますが。