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No:639 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part634 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2025/01/22 08:11:32 単表示 返信

とまあこのようにして。

計算機の演算能力は年々爆発的に向上するようになり。

もはや数万回程度の試行で解けてしまうような暗号は意味を成さなくなりました。

何しろENIAC前の半歯車式解析機Colossusですら秒間5000文字の処理を可能としていました。

数万程度では文字通り瞬く間に解析が終わってしまったのです。


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そのため、一時期暗号は方式そのものを隠す方向に躍起になっていました。

マイナー民族言語を使ったり、訛りの酷い方言で会話したりなんてのもありました。

しかしこれも知られてしまえばそれまで。

いよいよ解読を防ぐ手立てがなくなって来た1970年代に、一つの画期的な発明が成されます。

換字-転字暗号 (Substitution-permutation cipher)と呼ばれる暗号方式です。


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これは既知の暗号である換字式と転置式を組み合わせたもので、予め定められた文字数毎に方式を(一見)ランダムに切り替えるというものです。

既存の暗号の共通の欠点として、統計的手法を取られると弱いというのがありましたが・・・・・・

それは必ず『十分な長さのサンプル』が前提となります。

換字-転字暗号は一見長文でも実態は細切れにされた全く違う暗号が連なってるだけなので、統計的手法は原理的に役に立ちません。


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この「ぶつ切り文字列の集合体」はブロック暗号式とも呼ばれ、現代に至るまで通用する優れた暗号技術の基礎となりました。

流石に中身の暗号方式まで当時のままではありませんが・・・・・・

しかし基本理論が変わっていないのも、また事実です。