掲示板に戻る
No:627 タイトル:GEAR戦士撫子 新Part622 お名前:プロフェッサー圧縮 投稿日:2024/10/30 07:02:15 単表示 返信

当時、連合国はイギリスには「政府暗号学校」という組織がありました。

学校と名がついていますがバリバリの軍事組織で、海軍暗号解読機関「ルーム40」と陸軍情報部第1課を統合して1919年に誕生しました。

其処に持ち込まれたポーランドからもたらされたエニグマ突破の鍵は、早速立ち上げられた特務チームに委ねられました。

そしてそのチームの中に、ある一人の男の姿がありました。

誰もが一度は名を聞いたことがあるであろうその男。

人呼んで"コンピューターの父"アラン・チューリングその人です。


          ◇          ◇          ◇


アランは当時政府暗号学校でパートタイマーしていました。

・・・正規職員でもないのに極秘プロジェクトのチームリーダーしていたとは、剛毅と言いますかブラック職場と言いますかですが。

彼にはその重責に足る実績が既にありましたので、問題にはならなかったのでしょう。多分きっとMaybe.


          ◇          ◇          ◇


その功績とはなんぞや? と言いますとかの有名な「チューリングマシン」の提唱です。

これはものすごくざっくり乱暴に言いますと『どのような計算でも一本のテープ上に表現できる』という理論で、近代のコンピューターは全てこれに則って動いています。

この理論は『ひと繋ぎの動作だけであらゆる計算が実現できる』ことを証明しており、複数の動きを噛み合わせる必要がなくなり機械設計の大幅な簡略化を可能としました。

まさにこの理論がなければ現代コンピュータープログラミングは存在し得なかったのです。

歴史に残る偉大なる発明と言えます。


          ◇          ◇          ◇


もっとも現代コンピューターは一度に一つきりの「テープ」などではなく、文字通り無数の「テープ」が走っています。

ですが一本一本はアラン・チューリングが提唱したチューリングマシンとして動いており、今も世界のあらゆる場所で息づいています。

幾つかチューリングマシンから"卒業"する動きもありますが・・・・・・

まだまだ実用には程遠いようです。